新米研究者の日常ブログ

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固定観念にとらわれることのメリットを考える

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こんばんは、モルモル(@morumorublog)です。

 

"固定観念にとらわれるな"

 

様々な場面で使われるフレーズですよね。

 

私の職場でも、これと似たような言葉を良く耳にします。

 

◉ 固定観念にとらわれずに考えろ!

◉ 常識にとらわれるな!

◉ 固定観念に縛られるな!

 

新しいモノ・考え方を求められる研究所では、特に耳にするフレーズに思います。

 

確かに、新しい発想をするうえでは、固定観念や常識にとらわれない柔軟な思考が重要なのはいうまでもないのですが、なんだかあまりに耳にしすぎて、正直うんざりしてきたのです。

 

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理由は2つで、そもそも固定観念って何?という疑問と、「固定観念にとらわれない=正しい」という、よくある考えを振りかざすこと自体が固定観念にとらわれているのでは?という疑念が生まれたためです。

 

固定観念にとらわれずにアクションすることは重要なのですが、あまりにその観点を意識しすぎると、不都合が生じることを実感しています。

 

そこで本記事では、「固定観念にとらわれないことが正しい」という固定観念にとらわれず、固定観念にとらわれることのメリットを考えてみます。

 

非常にややこしい。

 

 

固定観念とは?

固定観点の言葉の意味は以下のようです。

 

「固定観念」(こていかんねん)とは、「凝り固まった考え方や意識」を意味する言葉です。他人の言葉や周囲の状況によっても考えを曲げることのない、頑固な考え方や意識のことを指し、ネガティブな意味合いとして使うことが一般的です。

https://biz.trans-suite.jp/27604より引用)

 

 

ある1つの考え方に凝り固まってしまう、他の意見を聞き入れる余地がない(頑固)といったところでしょうか。

一般的な認識もほぼ同じではないかと思います。

 

確かに、凝り固まった考えでいると柔軟な思考はできないので、新しいアイデアを生み出せなかったり、臨機応変さが失われたりとデメリットも多いと思います。

 

一方で、必ずしも悪い点だけでなく、メリットもあるのではないかと感じます。

 

 

固定観念の存在意義

この点について調べてみると、非常に共感できる記事がありました。

 

固定観念はきちんと意味があるから存在しているのです。

では、なぜ人間の進化の過程で固定観念が身についたのか

思考を節約するため

人間は「思考を節約するため」に固定観念を身に着けたのです。

なぜ人は固定観念を持っているのか|先入観を捨てるために|モノハコより引用)

 

私の職場では、最近は特に頻繁に、「固定観念にとらわれるな」というフレーズを耳にします。

 

それに呼応するように、仕事の中でたくさんのアクションが生じています。

 

"今まではそうだったけど、本当にそれで良いのか"

"実はもっと良い方法が隠されているのではないか"

 

こういった観点をもつこと自体は良いことだと思いますが、これらを実際に検討するためには「思考する労力」が必要なんですよね。

 

今までの考え方を覆すためには、従来の考え方の弱点、新たな考え方のメリットなど色々なことを思考する多大な労力が必要になります。

 

ですので、目の前の課題全てに対して、「固定観念にとらわれない」考え方をしてしまうと、労力が膨大になってしまいキャパシティーを超えてしまうのです。

 

実際、私の職場でも似たような現象が起きており、固定観念にとらわれないことを意識しすぎるがあまり、選択肢が増え続け、収拾がつかなくなっているような事例もあります。

 

このことから、固定観念にとらわれる(利用する)ことで、「思考する労力」を節約することも必要なのではないかと感じます。

 

 

固定観念にとらわれることのメリット

思考の労力を他のことに割ける

固定観念の存在意義である「思考の節約」という点を踏まえると、節約した労力を他のことに割けるメリットはあると思います。

 

人間は、何かを思考するときのキャパシティーには限界があるので、固定観念を用いて思考をスキップし他のことに割くことで、物事を効率的にこなすことができます。

 

決断が早くなる

固定観念にとらわれることで、思考をスキップできると考えると、物事を決断するスピードも早まると思います。

 

人には無意識に行っているような行動も様々ありますが、当たり前の行動はいちいち思考しないと考えると、これも固定観念にとらわれた結果なのかもしれないですね。

 

固定観念をどう扱えば良いのか?

このように、「固定観念にとらわれる」ことにはメリットもあるように思います。

 一方で、「固定観念にとらわれない」ことにメリットがあるのも言うまでもありません。

 

では、結局のところ、固定観念をどのように扱うことがベストなのでしょうか。

 

個人的には、「課題の本質を考えて、本当に正しい選択なのかを見極めること」がまず最初に必要と感じます。

 

固定観念にもメリットがあるとはいえ、思考停止で実行してしまうようでは、他に存在するより良い選択肢を見落としてしまうかもしれません。

 

ですので、何かを考えたり実行する前に、懐疑的な目線で少し考えた後、それでも固定観念(=従来の考え)でも問題ないと判断できれば、固定観念にとらわれた行動のメリットが活かされてくるものと思います。

 

固定観念を使う時と、使わない時を上手く見極める力が前提として必要に感じます。

 

 

まとめ 固定観念にとらわれることは必ずしも悪いことではない

最近の職場の風潮になんとなく不満をもったことを発端に、「固定観念にとらわれること」のメリットを考えてみました。

 

凝り固まった従来の考えを持ち続けることは、生産性に制限ができてしまいデメリットが大きいので、固定観念にとらわれないことはたしかに重要です。

 

一方、なんでもかんでも固定観念にとらわれない視点に立ってしまうと、思考力のキャパシティーを超えてしまい、本末転倒になってしまうとも感じます。

 

固定観念と上手く付き合って、バランス良く利用することで、固定観念にとらわれることのメリットも発揮させることがベストなのかもしれませんね。

 

それでは!

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