新米研究者の日常ブログ

新米研究者の雑記ブログ。某メーカーで研究者として勤務して早3年。研究者として経験したことをベースに、仕事や生活に役立つ知識・グッズの紹介、科学の雑学、日々感じることをひたすらに発信します!

オンライン学会に参加してみて感じたこと

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こんばんは、モルモル(@morumorublog)です。

 

新型コロナウイルスの影響で在宅で仕事をする期間が長く続いておりましたが、最近は出社する頻度も増えてきました。

 

一方で、他拠点の人とコンタクトをとる際は、出張が当面自粛のため、テレビ会議や電話会議を用いている現状です。

 

さらには、研究職という職種上、学会に参加する機会もとても多いのですが、コロナの影響で多くの学会が開催中止、あるいはオンライン開催となっています。

 

理由は、大人数が一挙に同じ会場に集まり感染リスクが高まることを防ぐためです。

 

首都圏ではなく、地方で開催されるような学会であっても、かなりの人数が参加するものについては、Webミーティングサービスを用いたオンライン開催となっています。

 

このような対応は過去に例がなく、運営側も参加者側も探り探りな感じがしました。

私自身も初めての「オンライン学会」に参加した感想をつらつらと記していきます。

※あくまでモルモルが参加した学会に限った話です。全ての学会について同じことが言えるとは限りません。

 

 

オンライン学会で良かったと感じた点

自宅(職場)から手軽に参加できる

学会は地方で開催されることも多く、そのために長時間かけて移動しなければならないことも多いです。

 

オンライン学会では、自宅や職場から参加することができるので、移動時間は完全にカットされます。

さらには交通費も完全カットのため、経費削減にもつながります。

 

通信環境さえ整っていれば、どこからでも学会を聴講できるので、便利な時代になったものだと痛感します。

 

 

講演の入退出が気楽にできる

学会の種類にもよりますが、規模の大きいものだと複数の講演が複数会場で同時進行するパターンも多いです。

その中から、自分の聞きたい講演をチョイスして聴講することになります。

 

学会会場は広いことも多いので、自分が聞きたい講演ごとに会場が変わる場合、移動が結構大変です。

また講演中に抜け出すこともしばしばあり、聴衆をかき分けて退出するのは少し気が引けてしまいます。

 

この点、オンライン学会では、「退出する」ボタンを押せば瞬時に退出でき、「参加する」ボタンを押せば瞬時に参加できるため、複数講演の横断的な聴講がとても簡単にできてしまいます。

 

私がいつも参加する学会は規模が大きいものが多いので、個人的にはこの点がオンライン学会の最大のメリットです。

 

スーツを着て大きな会場を時間に追われながら移動するのはなかなかしんどいものです。。オンラインなら優雅にコーヒーでも飲みながらのんびり聴講できます。

 

学会発表資料がWeb上にアーカイブされることがある

学会では、その分野の最新情報やホットな話題をたくさん聞くことができます。

得られる情報は価値の高いものばかりなのですが、それら全てを正確に理解して、後でフィードバックするにはそれなりの労力がかかります。

 

参加者の多くは、講演を聞きながらメモ帳に内容を記録したり、(本当はだめかもしれませんが)講演を録音したり撮影したりと、様々な方法で情報をキャッチしています。

 

これらの手段でも事足りる人もいるかもしれませんが、あとになって「ここの部分をもう一度聞きたい」「ここはなんて言ってったっけ」と講演を振り返りたくなるタイミングは少なからずあります。

 

通常の学会の場合は、聴講は「その場限り」であることが多いですが、オンライン学会の場合は、講演資料・映像がWeb上にアーカイブされ、一定期間内であればいつでも再聴講が可能になる場合があります。

 

あとで講演を見返せるので、学会で得た情報を後でより深く考察したいときにとても便利な機能で助かっています。

 

 

オンライン学会の良くなかったと感じた点

参加者とのコミュニケーションが非常に取りづらい

前述の通り、オンライン学会には多くのメリットを感じているのですが、それと同等にデメリットも感じます。

 

それが、学会参加者とのコミュニケーションがほとんどとれない点です。

 

現地に出向く場合は、多くの学会参加者と顔をあわせることになります。

もちろん、ほとんどの人が見ず知らず、あるいは顔見知り程度の関係ではありますが、同じ業界で働く人とのつながりは少なからずあります。

 

例えば、取引先、元同僚・先輩、会社横断的なプロジェクトの仲間など、社外のつながりはあるもので、学会というイベントは、このような人たちと同じタイミングで顔を合わせてコミュニケーションをとれる数少ない機会となります。

 

このつながりを維持するだけでなく、紹介という形でつながるが広がることも多々あるので、学会という空間は社外の人間関係にとってとても大事なものに感じます。

 

一方で、オンライン学会の場合は、基本的にはWeb上で講演を聴講することしかできず、参加者同士でコミュニケーションを取る手段はほとんどありません。

 

現地に出向いたときにはできていた、参加者同士でお互いの近況報告したり、誰かを紹介したり、雑談をしたりといった行為が全くできません。

 

本当に必要なことであれば、別に現地に出向かなくとも近況報告や紹介はできるのかもしれませんが、実際に顔を合わせてコミュニケーションをとれないのは、なんだか学会らしさがなく、味気ない感じがしてしまうのです。

 

「最新情報の入手」が学会参加の目的と考えると、講演を聴講さえできれば問題はないのかもしれませんが、大きな会場で知り合い同士でわちゃわちゃコミュニケーションを取るあの空間をしばらく体験できないとなると、やはり寂しさを感じてしまいます。

 

 

より便利で快適なオンライン学会に期待

今回は、コロナの影響で登場したオンライン学会に着目して、思うところを書いてみました。

 

総合すると、メリットの部分が大きいのかなとは思いますが、やはり上述したデメリットの面もなかなか無視し難い部分にも思います。

(あと、地方の場合は旅行気分も味わえたのですが、それが失われたのもとても残念です。)

 

オンラインツールは、共通したものが使用されることが多いですが、デメリットを解消するために、ツール側の改善が期待されるのかもしれません。

 

例えば、参加者が自由に作成できる雑談ルームを設けるとか、あたかも学会会場を模したような仮想空間を活用するとか。

 

現在の状況でオンラインで学会が開催できていること自体をまずは感謝しなければいけないのですが、今後ますます便利で快適なものとなるように、技術が発展することを祈っています。

 

それでは!

 

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