新米研究者の日常ブログ

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「能ある鷹は爪を隠す」は本当に良いことなのか?

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こんばんは、モルモル(@morumorublog)です。

 

日本のことわざには、色々な表現や意味が面白いです。

 

そのなかには、一種の教訓的な意味を含むものも多いです。

 

人の性格や在り方を表すものも多くありますが、特に有名なことわざとして「能ある鷹は爪を隠す」があります。

 

このことわざは主に、褒め言葉として使われることが多いのではないでしょうか。

 

一方、特に職場において、「能ある鷹は爪を隠す」にもタイプがあり、一概に褒められるべき良いことなのか、疑問に感じることがあるのです。

 

そこで今回は、「能ある鷹は爪を隠す」の意味を整理しつつ、「爪を隠す能ある鷹(人)」は何を考え、周囲にどのような影響を与えうるのか考えてみました。

 

 

能ある鷹は爪を隠すの意味

日本人なら誰しもが知っていることわざの1つ。意味は以下の通り。

能ある鷹は爪を隠す

意味は「本当の実力は普段見せない」
「能ある鷹は爪を隠す」は「いくら才能やスキルを持つ者でも、軽々しく実力を誇示したりしない」という意味のことわざです。いつもは態度や表情に出さず、いざとなった時に「本来の実力」を見せるのが「能ある鷹は爪を隠す」と解釈しても良いでしょう。

人はそれぞれ、自分が持つ能力を他人に見せたいという願望が少しはあるものです。しかし、それを普段から自慢したり見せつけたりしないというたとえから「たまに、見せるのが肝心」という裏側の意味にも注目すると、言葉の理解がさらに深まります。

https://biz.trans-suite.jp/5703より引用

 

要するに、もともと実力を持っている人が、普段はそれをおおっぴらにせず、いざという時に本当の実力を見せるということだと思います。

 

このような意味から、一般的には「本当は実力を持った素晴らしい人」といったような一種の褒め言葉として使われることが多いのではないかと感じます。

 

日常生活よりも、ビジネスシーンで使われることのほうが多いような気もしますね。

※余談ですが、英語では、「Cats hide their claws=能ある猫は爪を隠す」と表現するようです。海外では、親しみやすい動物として猫が採用されたようです。

 

 

爪を隠したままでいる能ある鷹もいる

上述の通り、「能ある鷹は爪を隠す」は基本的にポジティブな意味合いで使われます。

 

確かに、必要なときに実力を発揮できることは、疑いようもなく素晴らしいことです。

 

一方で、私の経験上、「必要なときでも爪を隠したままでいる能ある鷹」が少なからずいるように思うのです。

 

例えば、職場における以下のようなシチュエーション。

 

とある会議が開かれた。

参加者は、私と同僚(能ある鷹)、その他多数。

会議内容は、課題に対してアイデアをひたすらに出すブレインストーミング形式。

私含む大多数の参加者は、知恵をしぼり意見を出し尽くした一方、同僚は全く発言しないまま会議は終了。

 

会議終了後、同僚との立ち話。

 

私「今回の内容はなかなかアイデアが浮かばなくて苦労したなあ」

同僚「いやーでも自分は○○みたいなことやればいいとずっと思ってたんだけどな」

私「え、それめちゃくちゃいい考えじゃん!会議で言えば良かったのに!」

 

同僚はもともと優秀な人でしたが、会議などの場では積極的に発言するタイプではありませんでした。

 

まさしく、「能ある鷹は爪を隠す」を体現したような人です。

 

しかし、本来のことわざの意味とは少し異なり、必要な時であっても爪を隠したままでいるという点が特徴でもあります。

 

このような経験から私は、一見ポジティブ要素に聞こえる「能ある鷹は爪を隠す」にも、実はタイプがあり、一概に良い意味で使われるのは適切ではないのではないかと感じた次第です。

 

 

爪を隠す能ある鷹の思考回路

上述の通り、「能ある鷹は爪を隠す」にも2つのタイプがあると考えます。

 

・必要な時に実力(爪)を発揮できるタイプ

・必要な時であっても実力(爪)を発揮しないままでいるタイプ

 

ここからは、この2つのタイプのそれぞれの思考回路について考えてみます。

 

自分が爪を出すタイミングを理解している

まずは、「必要な時に実力(爪)を発揮できるタイプ」について。

 

なぜ実力があるにも関わらず、必要な時にしか爪を出さないのでしょうか。

 

それは、自分が爪を出す適切なタイミングを理解しているからだと考えます。

 

ではなぜそもそも、適切なタイミングを伺う必要があるのでしょうか。

 

実力がある人が、それを常にフルに発揮することは一見良いことのように思います。

 

ワンマンプレーであればおそらく問題はないのですが、世のあらゆる事象は、基本的に人との関わりで成り立っています。

 

上述で示した会議がわかりやすい例えかもしれません。

 

会議では1人の意見でなく、参加者全員の合意を得ることが重要です。

 

そのなかで、いくら実力がある人であっても、まくし立てるようでは他の意見が汲み取れませんし、会議がまとまりません。

 

このような背景から、「能ある鷹」は自分の考えが必要になるタイミングを理解しており、ここぞという時に発揮しているのではないかと思います。

 

爪を出したくても出せない性分である

次に、「必要な時であっても実力(爪)を発揮しないままでいるタイプ」について。

 

なぜ実力があるのに、必要な時でも爪をださないままでいるのでしょうか。

 

これは推察の部分が多いのですが、おそらく、何か意図して爪を出さないでいるのではなく、爪を出したくても出せない別の要因があるのではないかと想像します。

 

例えば、引っ込み思案などの性格的な要因。

 

上述した同僚も、よくよく聞いてみると、普段関わらない人たちが会議に参加しており、発言するのになんとなく気が引けた、という理由も述べていました。

 

このように、本当は爪を出したいけれども、出せないなんらかの要因(主に性格?)があるのではないかと感じます。

 

 

能ある鷹が爪を隠すのは本当に良いこと?

今回、「能ある鷹は爪を隠す」のことわざを切り口に、本人の思考回路と周囲への影響について深堀りしてみました。

 

「能ある鷹は爪を隠す」は基本的に素晴らしいことだと思いますが、爪を出したくても出せないタイプも少なからず存在するように私は思います。

 

必要なときに実力を発揮しないのは良くない!と言うだけなら簡単です。

 

しかし重要なのは、このタイプの能ある鷹たちの意見をどうやって汲み取るのか、その仕組みづくりだと思います。

 

もし、性格的な要因で爪を出すことができないのであれば、本人が改善を試みることももちろん重要ですが、なかなかすぐに改善できるものでもないように思います。

 

本人の改善努力と周囲のフォローとの相乗効果で、「爪を出せない能ある鷹」の有用な意見を汲み取ることが重要だと思います。

 

 

 

以上、有名なことわざを発端とした私の体験談と考えを紹介してみました。

 

皆さんは好きなことわざや、それに付随するエピソードはありますか?

 

それでは!

 

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